uchan note

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Thunderbolt 3対応SSDアダプタWL-UTE02をMac mini (M1, 2020)で使ってみた

Apple Silicon(M1)搭載のMac miniを購入し、Thunderbolt 3対応のアダプタを使ってSSDを増設してみました。 今回買ったアダプタは WL-UTE02、SSD は WD Blue SN550 2TBです。4 万円未満で 2TB の SSD を増設できてお得でした。 速度は書き込み 1,800MB/s、読み込み 2,200MB/s 程度は出ており、容量単価の割に良い性能が出たので満足です。

4 万円で 2TB 増やす

Mac mini (M1, 2020)のカスタマイズを見てみると、1TB から 2TB に増やすのに 4 万円かかります。 単純計算で 4 万円で 1TB を買うということです。

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1TBから2TBに増やすのに4万円かかる

内蔵 SSDMac に最適化されていて非常に速いので、速度が必要な人は 4 万円を出す価値があるかもしれません。 今回は速度よりは容量単価を重視して、4 万円程度で 2TB 増やし、合計で 3TB のストレージを確保する戦略を実行してみました。 4 万円で超速の 1TB を得るか、そこそこの速度の 2TB を得るか。用途次第ですけどね。

Thunderbolt 3

Mac miniSSDを増設する際はどのインタフェースで接続するか考えなければなりません。 一般的なのは USB でしょう。USBの中で、現在最も高速なのは USB 3.2 Gen 2x2 だそうで、これは 20Gbps が最高速度です。

もっと一般的に流通している製品が採用するのは USB 3.1 Gen 2 という、10Gbps の規格です。

参考 USB 3.1 Gen 1、Gen 2、USB 3.2の違い

現在の SSD の性能は大体 2,000MB/s 以上の読み書き性能が出ます。 後述するように Mac mini 内蔵の SSD は実測で 3,000MB/s 以上の書き込み性能がありました。 すなわち、SSD アダプタとの通信速度は最低 20Gbps、超高性能な SSD を利用するなら 30Gbps 以上でなければ SSD のフル性能が引き出せないことになります。

そこで登場するのが Thunderbolt 3 という接続規格です。 これなら最高 40Gbps まで対応しているため、SSD の読み書き性能のボトルネックになることは避けられそうです。

M.2 NVMe SSD

外付け SSD という形で売っている製品であれば考慮の必要はありませんが、 今回のように内蔵 SSD をアダプタに装着して外付け化する場合は SSD の規格自体にも注意が必要です。

この記事の執筆時点では、市販の内蔵 SSD は 2.5 インチ SSD か M.2 SSD のどちらかが主流です。 M.2 の方が小型なので、Mac mini と合わせたときに見た目がスッキリする M.2 に絞って製品選択をしました。

M.2 端子の SSD の中にも SSD 制御の方式がいくつかありますので注意してください。 制御方式がボトルネックにならないためには NVMe PCIe の製品を選ぶ必要があります。

今回購入したのは WD Blue SN550 2TB です。 メーカーの公称値で、シーケンシャル読込速度 2,600 MB/s、シーケンシャル書込速度 1,800 MB/sの製品です。 SSD の中では最高速というわけではありませんが、容量を稼ぎたい今回の用途では値段と性能のバランスが良かったです。

WL-UTE02

ということで Thunderbolt 3 対応の M.2 NVMe SSD アダプタを探すわけですが、現在のところ USB 対応のものに比べ機種が少なく、またかなり高価でした。 その中でも WL-UTE02 という製品は 1 万円を切っており、ちゃんと使えるなら大変お買い得だということで、挑戦してみました。

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uchan は WAVLINK ダイレクト楽天市場店で購入。 調べた中で国内の通販サイトでの最安で、税込 8,999 円、送料無料でした。

WAVLINK ダイレクト楽天市場店で購入すると個人輸入という形になり、しかも Amazon から配送されてくるという謎な通販システムになっていました。 発注から 1 週間ほどで無事手元に届きました。

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WL-UTE02 パッケージの中身

パッケージを開けると WL-UTE02 本体、Thuderbolt 3 ケーブル、ドライバがセットになっていました。 さらに奥の方に説明書が入っていました。

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WL-UTE02 の内側

本体を開けてみるとメインの基板が 1 枚入った簡素な作りです。 基板の右端にあるコネクタに M.2 SSD を取り付けるというわけですね。

SSD の装着

購入した SSD はこんな見た目です。サイズは 2280 です。 WL-UTE02 は 2260 または 2280 の SSD に対応しています。

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WD Blue SN550 2TBの表面

ちなみに 2280 は幅 22mm、長さ 80mm ということだそうですよ。

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WD Blue SN550 2TBの裏面

WL-UTE02 はその構造上、片面実装の SSD でなければ装着が難しいでしょう。 両面実装のものでも無理矢理接続できる、というようなレビューを見た記憶がありましたが、結構厳しそうです。 WD Blue SN550 シリーズはいくつかの容量がありますが、どの容量の製品も片面実装になっていて、WL-UTE02 に装着可能です。

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SSD をアダプタに装着した様子

WL-UTE02 の基板に元々付いているネジを外し、SSD を装着後にネジを締め直せば装着完了です。 WL-UTE02 には親切なことに小さいドライバが付属していて、手元に工具がなくても良いように工夫されています。

…と言いたいところですが、問題があります。このドライバが細すぎて力が入らず、硬く締めてあるネジを回せないのです。 指の力がものすごく強ければ回せるかもしれませんが、uchan の力では無理でした。 ということで、WL-UTE02 への SSD の組み付けはちゃんとしたプラスドライバがあった方が良いです。

公式の手順では、ネジを締めた時点で念の為パソコンに繋ぎ、接続できるか確認しましょう、とのことです。 一旦ケースを閉じてしまうと再度開けるのが面倒な構造になっているため、素直に手順に従った方がいいと思います。

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ヒートシンク装着

動作確認ができたのでヒートシンクを取り付け、ケースに封入しました。 これで SSD の組み付けは完了です。

性能測定

気になる性能を測ります。macOS 用のディスク性能測定アプリとしては Blackmagic Disk Speed Test が有名っぽいので、それを使ってみました。 まずは Mac mini 内蔵の SSD の性能から。

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Mac mini 内蔵 SSD の性能

書き込みが 3,063.6MB/s、読み込みが 2,782.8MB/s です。いやー、めちゃくちゃ速いですね。 次は WL-UTE02 に組み込んだ WD Blue SN550 2TB を測ります。

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WD Blue SN550 2TB の性能

書き込み 1,809.2MB/s、読み込み 2,250.6/s でした。 読み込み速度は公称値より若干遅いですが、書き込みは公称値通りの性能が出ています。 WL-UTE02 はちゃんとした性能が出ることが分かりました。